今回は我が家で育てているビカクシダのビーチ―をコケ玉にしてあげたので、コケ玉作りに必要なものや手順、コケ玉にすることのメリット、デメリットをご紹介します。
以下関連
なぜコケ玉にするのか
以前、我が家のビカクシダは
このように小さな鉢に植えられて育てていました。
最初は問題なく育てることができていたのですが、徐々に様子がおかしくなってきました。
ビカクシダには成長点と呼ばれる大事な器官があるのですが、その周辺が黒っぽくなってきたのです。
また、胞子葉も黄色く変色したり、黒くなり枯れ落ちるものも多く出てきました。
これはまずいと思い、胞子葉の影や成長点の周辺をよく見てみると、小さなナメクジのようなものがいました。
ちょうど発見した時も、胞子葉の根元を食べていたようです。
まず、迅速にピンセットで虫を取り除き、急いで空のヨーグルトの容器に水をため、そこにビカクシダを半日ほどつけてみました。
そこから乾燥してしばらく経過しました。ナメクジのようの虫はいなくなりましたが、葉はどんどん枯れ落ち、コバエをよく見かけるようになりました。
きっと、今の鉢での管理が良くなく、ずっと湿った状態が続き根腐れのようなことが起きているのではと思い、コケを変えてあげることと、コケ玉にして吊るしてあげようと決めました。
コケ玉に用意したもの
コケ玉作りに用意したものは
水苔は評判の高いこちらのニュージランド産のものを使用しました。
今回のコケ玉ですが、2層構造で内側にベラボン、外側に水苔となるように作りました。
なぜ、ベラボンを使用したのかというと、コケ玉の乾きをよくするためです。
全て水苔で作っても良かったのですが、水苔は保水性が高く苔玉にすると内部の方の乾きが遅くなりやすいです。そうすると、また蒸れてしまいそうなので通気性の良いベラボンを芯にするようにしました。
また、ベラボンに比べて水苔は高価なので水苔の使用量を減らせたのはコスパの面でも良かったと思います。
使用したベラボンはこちら
あく抜きされたベラボンです。あく抜きは非常に手間がかかるのですでにあく抜きされているベラボンを使用することをオススメします。
こちらのベラボンは品質が良く3~5年安心して使えるので、コケ玉の中に使っても問題なさそうです。
残りの準備したものですが、テグス、アルミ線、ニッパー、ピンセット、ごみ袋、手袋は全てダイソーで揃えました。
コケ玉の作り方
まず、コケ玉を作る1日前から準備が必要で
あらかじめ使いそうな量の水苔を袋に移し、そこに水を加え24時間ほどかけて水苔を戻してあげます。
僕は2Lくらいの水苔に100ccほどの水を加え戻しました。
ベラボンに関しても適量袋に移し水に浸しておきました。
前準備を済ませたら、当日の作業です。
まず、ビカクシダをコケ玉にしてあげるために、今まで身にまとっていた水苔をとってあげます。
一般的に植物の植え替えなどをする時は、あまり根を傷つけないように根についている土は取りすぎないようにしたりするのですが、今回は使われていた土と水苔が乾きを悪くし、そのままにするのは良くないと考えたので多めに取り除くことにしました。
ついでに、不健康そうな根もとってあげました。
するとこんな感じになりました。
なんかひもじい…。可哀そう…な見た目ですよね。
ということで早速、ベラボンと水苔で包んであげます。
まず、手に適量の水苔を持ち、その上に芯となるベラボンをのせビカクシダものせました。
そうしたら、少しずつ水苔を足しながらテグスで玉になるように巻いてあげます。
テグスを巻く強さですが、コケ玉は硬さで吸水力、保水性が変わってくるので乾きをよくするには少し硬めに乾きを遅くしてあげるには柔らかめにテグスを巻いてあげると良いです。
パンも柔らかい方がよく水を吸いますよね。
僕は、水やりの頻度は多くなってしまいますが、乾きが良くなるよう硬めにテグスを巻きました。
また、コケ玉を硬くすることでビカクシダの成長速度は緩やかになり、引き締まった姿になりやすいそうです。
そして、もう一つテグスを巻くときの注意点があります。
絶対に成長点を傷つけないことです。成長点はビカクシダの命ともいえる部分なので気を付けましょう。
そうして、テグスで巻いて手のひらで掴みにくいと感じる程度の大きさのコケ玉にしたら、ハンギング用のアルミ線を上から下に刺し貫通させます。
下から出たアルミ線はアルファベットのJのように曲げアルミ線の先端をコケ玉に刺してあげます。
そうすると、アルミ線で吊るしてあげても落ちたりしませんね。
ちなみにアルミは錆びにくい性質があるので、安心して水やりや葉水が行えて良いと思います。
ここまで出来たらあとは吊るすだけですね。
我が家では天井から吊るすことが出来なかったので、無印良品のアイテムを利用することに。
こちらは、無印良品の「壁に付けられる家具フック」です。
賃貸の我が家でも安心して壁にフックを取り付けることができます。
このフックはシンプルな木のフックなので、壁に取り付けても変に目立たず、むしろオシャレに見えるのでとても気に入っています。
こちらにビカクシダを掛けるのですが、ただ掛けてしまうと重力でフック突起部の根元にアルミ線が掛かってしまって、コケ玉が壁と接する面積が多くなってしまいます。すると、コケ玉の乾きも悪くなりますし、壁も濡れてしまうので、なるべくコケ玉が離れるようにフック突起部にアルミ線を通す穴をあけました。
開けるとこんな感じ。
結構突起の根本の方に穴をあけましたが、もう少し先端に空けてもよかったなと思いました。
ちなみにこのフックの構造上、突起の先端に重さがかかってしまうのは良くない為、穴を根元側にあけたという考えもあります。
また、こういうフックを使用する場合、気になるのは耐荷重ですが。こちらのフックは2kgの耐荷重があります。フックに掛ける前に水をあげたコケ玉ビカクシダの重さを計測すると約500gでした。なので、重さ的にはこのフックにコケ玉ビカクシダを吊るすことは問題なさそうです。
実際つるしてみるとこんな感じに。
多少ビカクシダが壁についてしまいますが、水やりのあと壁を拭いてあげれば問題なさそうです。
また、ビカクシダをつるしてみても、フックはぐらついたりしないので安心しました。
ちなみに、ビカクシダをつるしているアルミ線はフックの穴に通し、グルグルと巻いているため水やりの際に簡単に取り外しできますが、普段は落ちることもないので、この吊るし方で育ててみようと思います。
コケ玉ビカクシダの管理
鉢植えや板付けと比べてコケ玉は水の乾きが早いという特徴があります。
というのもコケ玉は他の仕立てに比べて、水苔が空気と触れる面積が大きいですよね。なので、水がよく乾きやすいです。
コケ玉が乾きやすいと言っても、使用する水苔の量やコケ玉の硬さ、コケ玉の芯の有無によっても乾きやすさは変わってくるので、実際の乾く様子を観察してみてください。
続いて、ビカクシダへの水のやり方ですが、前提として「植物は水をあげたらよく乾くまで待ち、再度水をあげる」ことが良いそうです。
植物も呼吸をしているので、常に湿っていると呼吸ができず、根腐れなどの原因にもなりかねません。
なので、コケ玉が適度に乾いたら水をあげるようにしましょう。
苔玉の水やりに関しては人それぞれの方法がありますが、僕は10分ほど水に浸して吸水させています。
というのも、よく乾いた水苔は水を吸いにくいのと、苔玉の芯まで水を吸わせるため水に浸すことにしています。
こうして水をあげたビカクシダは遮光カーテン越しの日光が当たり、風通しの良い場所に吊るして育てています。
この苔玉管理法でどう育っていくか、随時記事にしてお伝えしようと思いますのでご覧ください。
コケ玉の良いところ・悪いところ
最後に苔玉仕立ての良いところ悪いところですが
まずは良いところから。
- 乾きやすい
- 子株を増やしやすい
- 材料少なく作れる
まず乾きやすいですが、乾きやすいと湿り具合にメリハリがつきやすく植物も強く育ちやすいです。また、ずっと湿ったままになりにくいので、根腐れも起こりにくくなります。
続いて二つ目子株を増やしやすいですが、ビーチーなど品種によっては子株を出しやすいものがいます。
当然、板付けや鉢上と比べて、水苔が露出している部分が多いので、子株をより多く出しやすくなります。苔玉は360度水苔で覆われているので場合によっては、四方から子株がふくこともあるでしょう。
続いて三つ目ですが、苔玉は板付けと比べて少ない材料で作ることができます。といっても板があるかの違いですが、板付けの場合、板の耐久性を上げるため焼くこともあったり、適度な大きさにカットしたり、磨いたり意外と手間がかかります。
対して、苔玉の場合、おにぎりを作るのと同じ要領で出来てしまうので非常に簡単です。
続いてはコケ玉の悪いところです。
- 水やりの頻度が増える
- カッコよさで劣る
コケ玉は板付けなどに比べて乾きやすくなります。
なので、必然的に水やりの回数も増えてきます。乾きが良くなるのは良い事ですが、頻繁に水はあげたくないという方は気にした方がいいかもしれません。
続いて、カッコよさで劣るですが、板に付けられたビカクシダってめちゃくちゃカッコいいですよね。インテリアとして取り入れている方も多く見かけますよね。
カッコいい板付けに対して、コケ玉は可愛らしくなりやすいと思います。実際、我が家のビカクシダもコケ玉にしたことで前より可愛く見えます(笑)。
可愛いよりもカッコよくしたい方は板付けが良いかもしれませんね。
ということで最後までお読みいただきありがとうございました。
コケ玉にしたビカクシダの成長過程は今後も記事にしていきますので、是非ご覧ください。
それでは、楽しいビカクライフを!
前回のお話▶
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
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